北海道 帯広市 十勝インターナショナル協会 TOKACHI International Association

JICA受託事業

課題別研修事業過去の実施通信

題別研修事業

課題別研修は、日本側から開発途上国に提案し、要請を得て実施するもので、数多くの日本国内の関係団体と連携して実施されています。

全国で年間500件を超える案件が広い分野で実施され、他の援助国や国際機関にはあまり類例のない日本のODAの特徴を形作っています。

施通信

過去の記事をまとめたものです。

2020年度

バリューチェーン構築による地域アグリビジネス振興(アジア地域)~高付加価値な地場食品供給に向けて~

 

実施期間 令和3年3月1日~3月5日
実施対象国 バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、パキスタン、フィリピン、ベトナム
対象人数 26人

農産物のバリューチェーンを構築し、競争力の高い食品供給を企画・ 推進・調整できる人材を育成することを目的に、平成29年度~令和元年度に本研修を実施してきました。

今年度は帰国研修員26名にアンケートを実施し、うち3名にインタビューを行い、帰国後の活動状況、成果、課題などを調査しました。

平成30年度の研修員グディさん(フィリピン)は、日本での学びを参考にして米加工施設を建設し、それにより収穫後のロスが軽減して農家の収入が30%も増えたと報告してくれました。

予算不足や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などの課題を抱えながらも、帰国研修員が自国の農業の発展のために努力している様子を本研修で確かめることができました。

 

地域資源に基づいた乳肉生産のための牛の飼養管理

 

  • 地域資源に基づいた乳肉生産のための牛の飼養管理:牛写真(上)
  • 地域資源に基づいた乳肉生産のための牛の飼養管理:牛写真(下)
研修期間 令和3年2月9日~2月23日
研修対象国 マダガスカル、パプアニューギニア、スリランカ
対象人数 4名
《本研修は新型コロナウイルス感染症の世界的な影響から日本と海外をオンラインでつなぐ遠隔研修を実施しました。》

多くの開発途上国では、乳牛・肉牛などが飼育されていますが、飼料供給量や良質な飼料の不足、不適切な飼養管理、疾病の発生、品種改良の遅れなどにより、生産される乳肉の量・質は低く留まっています。

本研修は地域資源を利活用した飼料資源の確保や乳生産の量・質の向上によって、酪農・畜産業で生計を立てている農家の収入増加を図り、貧困削減に貢献することを目的としています。

令和3年5月には各研修員が作成したアクションプランの中間実践報告や補講が予定されています。活動の中で本研修の学びがどのように活用されているのか、報告が期待されます。

※写真(上):遠隔での実施に伴い、感染症対策を講じながら映像教材を作成しました

※写真(下):映像教材視聴後、ライブにて質疑応答を実施しました

 

バリューチェーン構築による地域アグリビジネス振興(アジア地域)~高付加価値な地場食品供給に向けて~

 

研修期間 令和3年2月8日~2月19日
研修対象国 バングラデシュ、マレーシア、ミャンマー、タジキスタン、タイ、東ティモール、ベトナム、モンゴル
対象人数 8名
《本研修は新型コロナウイルス感染症の世界的な影響から日本と海外をオンラインでつなぐ遠隔研修を実施しました。》

開発途上国の農家の多くは、農産物を一所懸命に作っても、高く買い取ってもらうことができずになかなか貧困から抜け出せないでいます。その解決策として、JICAは、農業に関連する人たちがみんなで手を取り合って価値の高いものを作ることができるようなシステム作り、バリューチェーンの構築を後押ししています。

本研修では、農業王国・十勝の事例を中心に、市場ニーズに基づいた農産物生産、地元農産物の加工や流通合理化を通じた高付加価値化、安全・安心な食品開発、ブランド化・販売戦略などについて学びました。

研修員は、自国の農業の発展ひいては農村部の所得や生活の向上のため、バリューチェーン構築への意気込みを新たにしました。

 

小学校理科教育の質的向上~「教えと学び」の現場教育~

 

  • 小学校理科教育の質的向上~「教えと学び」の現場教育~:理科写真(上)
  • 小学校理科教育の質的向上~「教えと学び」の現場教育~:理科写真(下)
研修期間 令和2年10月26日~12月11日
研修対象国 エジプト、モルディブ、ザンビア
対象人数 4名

教員や学校の指導者などを対象に、実験や観察を通した問題解決型の授業を行う人材の育成を目的として実施してきた本研修ですが、今年度は過去に参加した帰国研修員を対象に補完研修(活動調査)を行いました。

研修員が自国で作成した授業案と模擬授業のビデオについて、オンライン会議システムツールを使用しながら、研修員間及び北海道教育大学釧路校の講師と意見交換しました。活発な意見交換から得たアドバイスを参考にしながら研修員それぞれが授業案の改善に取り組みました。

本研修を通して、研修員が日本で得た学びを活かした授業づくりを実践・普及していることが確認でき、世界の子どもたちのより良い学びのために、これからも研修員が活躍してくれることを期待します。

※写真(上):アビィさん(ザンビア、平成30年度)は、実物の実験素材をワークシートに貼りつけて、児童の関心を高めるように工夫しています

※写真(下):シファさん(モルディブ、令和元年度)が行った「水に溶けるもの」の授業では、ビーカーの代わりに簡単に入手できるコップを使用して、実験を行いました